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第4章「貨幣の資本への転化」第2節「一般的定式の諸矛盾」学習会報告

 11月9日、第4章「貨幣の資本への転化」第2節「一般的定式の諸矛盾」を学習しました。
 前節でみたように、W-G-WとG-W-G’の流通形式は、両者ともにW-GとG-Wとから成り立っていることは同じで、違いは二つの過程の順序にすぎません。しかもG-W-G’という順序の転倒は資本家の立場からみてのことで、販売・購買の取引そのものをみれば、取引の当事者はただ商品の購買者か販売者であるにすぎず、順序を転倒したところで、単純な商品流通の部面を超え出たことにはなりません。では、単純な商品流通の中で、貨幣が資本に転化するのはどうしてなのか、その条件は何なのか――それがこの節での課題であることを確認し検討を進めました。
 現象が純粋に起こるなら商品流通は等価物どうしの交換からなるのであり、等価交換から剰余価値は成立しないこと、商品流通から剰余価値が生まれるという主張の背後には使用価値と価値との混同があること(コンディヤックなど)、そして効用価値説などとしてそうしたブルジョア的俗論が繰り返されてきたことを検討しました。第二に、非等価物が交換されるとしても剰余価値は成立しないということを、叙述にしたがって――価値以上の販売、価値以下の購買、売ることなく買うだけの階級の設定、特定人物が一方的に詐取する場合等々――検討し、結局等価物どうしが交換されても、非等価物が交換されても、流通から剰余価値は生まれないことを見ました。ここまでに出された質問の一つは、技術革新など何らかの工夫によって利得するようなことはどう考えたらよいのかというものでしたが、そのような問題は、資本家どうしの競争の中で生じる特別剰余価値の問題として、剰余価値そのものの成立が説明されてのちに解明されうるということ、そしてここでは等価交換から剰余価値の成立を説明することの意義を確認しました。また、剰余価値の謎を解くには等価交換を前提しなければならないとするなら、マルクスが非等価物どうしの交換を詳しくとりあげているのは、そもそもどうしてなのかという質問がありました。議論のなかで、歴史的にも資本主義以前の商人資本や高利貸資本が不等価交換、詐取によって利潤を取得し、俗流経済学者が流通部面での不等価交換から剰余価値を説明してきたこと(参加者から質問のあったトランズ大佐もその一人)などを検討するとともに、今でも流通部面の表面上の現象から剰余価値を説明する俗論が常識論として繰り返されてきたことから、マルクスがそれらの誤った議論を徹底的に暴露している意義が確認できました。
 剰余価値は商品の流通から生じないとすれば、流通の背後で何かが起こっていると考える他はありません。しかし、単純な商品生産者は自己の労働によって価値を形成することはできるが、自己増殖するような価値は形成できません。以上より問題を解くべき前提条件は与えられました――貨幣所有者は商品をその価値どおりの価格で買い、その価値通りの価格で売り、しかも剰余価値を生み出さなければならない、剰余価値は流通から発生しえないし、同時に発生しなければならない、この矛盾をいかに解くか、それが次の課題であり、次節で解き明かされます。
 次回、11月23日は第3節「労働力の購買と販売」の最初からです。
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横浜で月2回『資本論』学習会を開いています。

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