ホーム   »  学習会報告・復習ノート  »  第10章「相対的剰余価値の概念」と第11章「協業」(前半)の学習会

第10章「相対的剰余価値の概念」と第11章「協業」(前半)の学習会

 5月24日、第4篇「相対的剰余価値の生産」第10章「相対的剰余価値の概念」を復習した後、第11章に入り「協業」の前半部分を検討しました。
 
 第10章で特別剰余価値を説明する箇所の中に、「例外的に高い生産力」をもつ労働が「強められた労働」(岩波訳)として作用するとありますが、このことは労働の強化・労働の強度とは区別して考えるべきなのかという質問があり、その通りだということになりました。
 他の資本家に先駆けて労働の生産力を上昇させることができた資本家は特別剰余価値を取得しますが、労働の生産力の上昇の場合、同じ労働量で以前よりも多量の生産物が生産されるのですから、生産物1単位の価値は低下します。ところが労働強度の増大の場合は、同じ時間内により大きな労働量が濃縮されて現実に支出される労働量が増大しますので、1単位量あたりの価値が低下することなく、生産物量が増大するという違いがあります。第10章では相対的剰余価値生産の一般的方法として、相対的剰余価値生産が個別資本家のもとでの労働の生産力の増大⇒商品価値の低廉化を起動力としてなりたつしくみが説かれていますが、労働強度の増大による剰余価値増大は、商品の低廉化によらない特殊的方法として、区別して論じられることになります(第13章第3節c)。
 関連して、第10章の最後の部分にある「諸商品の低廉化」によらない「特殊的方法」とは何かという話になり、労働強化の場合のほか、婦人・児童労働の利用による労働者家族の就業による労働力の価値分割(第13章第3節a)、不熟練労働者の利用による修業費の減少(第12章第3節)などがあるという指摘が司会よりありました。ところで婦人労働に関して、安倍政権が謳う「女性の活躍促進」云々は欺瞞的だという議論に拡がりましたが、労働力の価値分割や婦人労働の歴史的意義などについて詳しくは後の章でちゃんと検討していくことになります。
 
 第11章から第13章まで、相対的剰余価値の生産を実現するために必要な労働過程の諸条件・生産方法そのものの変革過程について具体的に見ていきますが、第11章では、そのための最も基本的な要因となる協業について考察されます。協業によって労働の生産力がいかに高められるのか順に検討していきました。
 
①協業が一定の規模に達することで、個々人の異なった資質が相殺され、労働に社会的平均労働の性格を与える。
②建物、倉庫、容器、道具など、生産手段が共同の使用によって節約される。
③重量物の運搬のように、集団力でなければ発揮できない作業を可能にする。
④個々の労働者の競争心が刺激され、活力が高められる。
⑤多数の労働者の同種の作業に連続性(リレー式運搬など)と多面性(建築作業での多方面からの着手など)をもたせる。
⑥穀物の収穫期のように、決定的瞬間に多量の労働を流動させることができる。
⑦鉄道や運河の建設のように、空間的に広範囲わたる大規模な作業を可能にするとともに、他方では、労働者の密集や生産手段の集積によって、生産の規模の拡大に比べて生産に必要な空間的範囲を縮小しうる。
 
 以上のように、協業は労働の生産力を高めるのですが、この協業に独自な生産力は――個々の労働者によっては生じない結合した労働の独自な生産力であるがゆえに――「労働の社会的生産力または社会的労働の生産力」とよばれることを確認しました。
 次回6月14日は、第11章「協業」の後半部分、資本主義的協業の独自性やその歴史的位置づけなどについて検討します。さらに、第12章「分業とマニュファクチュア」に入ります(第1節から第3節を検討する予定です)。
コメント
トラックバック
トラックバック URL
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

yokorou15

Author:yokorou15
横浜で月2回『資本論』学習会を開いています。

カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR